バーバの誕生日♪



両親の家から、

数週間ぶりに家に戻ったワタシは、

三日後、また新幹線に乗った。



バーバの体調が安定しないのだ。



その日、4月17日は、

バーバのお誕生日だった。

85歳になった。



2月4日、

ジージの卒寿のお祝いの時には、

家族とともに食卓について、

楽しそうにしていた。



あれから2ヶ月半。

バーバは、食欲が落ち、

むせるようになり、

食べたいものも

思うように飲み込めなくなった。



車椅子をレンタルして

なんとか食卓で食事を楽しんでほしい

と願ったが、

ベッドにいる時間が

一日の大半を

占めるようになってしまった。



家族の名前がなかなか出てこない時や、

とんでもない名称をつけられたりする。

ワタシは、女の親分。

ジージは、バーバの部下。



今住んでいる家が、

自分の家ではなく、

施設かどこかだと思っている時もある。



訪問診療の先生や訪問看護師さんや

ヘルパーさんが、

頻繁に家を訪れるからだろうか…。



ベッドに起き上がったバーバに

食事をひと口ひと口

スプーンで食べさせていた時、

突然、嗚咽がこみ上げてきた。

バーバはニコニコと

美味しそうに食べているのに。



こんなことは初めてだった。



症状が進行していくバーバを受け入れて、

介護をしてきた。



でも、急激に進行していく姿に、

突然、

元のバーバに戻ることはないのだと

思った。



バーバとちゃんと会話をしたのが

いつのことだか、思い出せない。

どんな会話だったのかも。

胸をえぐるような後悔の念が襲った。



4月17日、

バーバの85歳のお誕生日。

両親の家に行く前に、

駅前のデパートで

バースデーカードを買った。



バーバに会い、

今日はお誕生日だよ♪

85歳になったね!

と言ったら、

バーバは、恥ずかしそうに笑って、

忘れてたんや。そうやってね。

と。



一時は、

肺炎になるかと

心配する日が続いたが、

幸いなことに、

食欲も戻ってきた。

会話も出来るようになった。



バーバが言う。

食べるもん、食べるもん、

どれもほんまに美味しいわ〜

こんな風に思えるような日が来るなんて

思わへんかったわ。

何も働いてないのに、

みんなによくしてもらって

私、ほんまに幸せやな〜

と。



ワタシは答えた。

今までよく頑張ってきたから、

神様がそうしてくれたん違う?

と。



バーバは、本当に頑張ってきた人だ。

幸せだと思ってくれることは、

何よりの喜びだ。



今日はワタシの誕生日。

バーバから

嬉しい言葉のプレゼントをもらった。


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[2017/04/21 11:36 ] | ファミリー | コメント(0) | トラックバック(0)
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